◆Google I/O 2023 開催。チャットAI Bard が日本語でも!
ChatGPTが急激に利用者数を増やし、Googleの検索ビジネスを脅かすほどになっていると言われるようになりました。AI研究の先端を走るGoogle がサービスとしてチャットAIの公開を遅らせたのは、品質面、倫理面、サービスとしての完成度などさまざまな理由が考えられますが、その真意はわかりません。
Googleの開発者向けイベント Google I/O 2023 が、2023年5月10日(米国現地時間、日本では11日早朝より)Google本社近くのイベント会場 Shoreline Amphitheatre とライブ配信でハイブリッド開催されました。
GoogleのチャットAIである Bard が登録待ち無しで、日本語でも使えるようになりました。ChatGPTと同じ感じで、対話型で利用できます。ChatGPT4が2021年9月までの情報が反映されているのに対し、Google Bard はリアルタイムとは言わないまでも、ネット上にある最新情報がされており、検索と同じ感覚で利用できます。
なにより、動作スピードが早く、すぐに回答が返ってくるという利点は大きいでしょう。とくにネット上で公開されているWebページの内容をその場で要約してもらったり、ソースコードの解説やエラーコードからのバグ修正の情報など、Google Bard の得意分野がいろいろあるという印象です。
人に個性や得意不得意分野があるように、ChatGPTの得意技、Google Bard の得意技を生かしてAIを活用する状況がしばらくは続きそうだと考えています。
Google Keynote (Google I/O ‘23)
◆ChatGPTを使ったアイコンアイデアの作り方
How to Use ChatGPT for Icon Ideas: A Step-by-Step Guide
https://uxplanet.org/icon-ideas-327310b145d9
アイコンデザインを考える際、ChatGPTで一発で素晴らしいアイコンデザインができるわけではりませんが、デザインを考える際のインスピレーションの手助けにはなってくれます。
ChatGPTに対して「シンプルという言葉を象徴する物体には、どんな表現があるか?」「料理を表現する絵柄2つの組み合わせを10パターン教えてください」などと問いかけて、自分が詳しくない分野でもアイデアを広げられます。
色使いや、アイコンには複数の意味を込めた方が良いこと、他の似たようなアプリのアイコンと見分けられるような目立つものにすることなど、もともとのアイコンデザインのコツをつかんでいないと的確な質問が難しいかもしれませんが、仕事の手順を理解している人にとっては、ChatGPTによって圧倒的に制作スピードとその幅を広げることができるテクニックだと考えています。
◆ChatGPT時代のデザイン
Designing in the age of ChatGPT
https://uxdesign.cc/design-in-the-age-of-chatgpt-3c80e6fc8cf7
ChatGPTなどのAIが台頭する今の時代に、デザインの意義、デザイナーの生き残り術はなんなのかについて論考されたブログ記事です。現在はAIツールのデザイナーとして、過去はFjordのデザイナーとして活躍されていた John Moriartyさんの記事です。
いろいろとあるのですが、ポイントは5つ、
●自分自身の思い込みや凝り固まった考えを打破すること
●AIのことを知り、使ってみて、AIが活用できる領域を見いだすこと
●まずはAIに頼らずとも良い、核となるスキルを身につけること。AI活用はそれから
●AIを活用することで、いままでの制限や限界を超える
●どんな場合、状況でも常に「人間」を中心に考える
◆ChatGPTはユーザーリサーチができない
ChatGPT cannot do user research
https://uxdesign.cc/chatgpt-cannot-do-user-research-1c5a34c35abf
ちょっと煽り気味のタイトルですが、この記事の主旨は「ChatGPTは人間のUXリサーチャーを完全に置き換えるわけではない」という意味です。
ChatGPTは人の代わりに調査やインタビューをしてくれるわけではないけれど、それらの仕事に示唆を与えてくれたり、まとめてくれたり、おおいに役立ちますよ!ということが紹介されています。
●インタビューの記録の整理
プロンプト例:「文章」から取り上げられた主なトピック、インタビュイーが指摘した重要なポイント、注目すべき洞察や気づきを含む要約を私に提供してください。
●文章のパターンを複数出してもらう
●質問のインスピレーションの元として
●競合サービスの分析
プロンプト例:高級ホテルを予約できる世界的なウェブサイトを10サイト以上リストアップし、その主な特徴とユーザーエクスペリエンスの注目すべき点を簡単にまとめてください
ちょっと調べだすと、数十分、数時間かかる調査を、さっと数秒で出力してくれるChatGPTの便利さは相当のものです。もちろん提示されている情報は古かったり、間違っている可能性も残されていますが、どういった観点でどういった切り口で探したりまとめたりすれば良いのか、指針を考えるためには大いに役立つことでしょう。
◆Kraftful:ChatGPTによるユーザーリサーチ補助ツール
Kraftfulは、UXリサーチを補助するAIを活用したツールです。ベースとなっているのはChatGPTで、対話を中心に作業を進めることで、リサーチの作業のうち、次のようなことに使えます。
●集まった意見をまとめる:利用者が言及している頻度や回答の文脈から必要な意見や要望を素早く見つけだすことができる
●詳細を知る:ユーザーから集めた情報をまとめてインプットしたチャットに質問をし、素早く回答を得ることで、知りたい情報を素早く入手できる
●ロードマップの作成:得られた洞察を製品の改善に反映させる
◆ChatGPTと問答を繰り返し、考えをクリアにさせる
UXデザインや、UXリサーチ、UXライティングなどUXに限らず、さまざまな作業の中でどうしたら良いのかわからなくなることがあります。まわりに気軽に相談できる人がいればよいのですが、そういった人も居ない、または聞けそうな人は忙しそうで聞くことを遠慮してしまう。さらにこんな簡単なこともわからないのか!と思われたくないなど、さまざまな事情があり、的確なタイミングで適切な人にわからないことを聞くことが難しい場合があります。
そういった際に使える、ChatGPTと問答を繰り返すことで、自分の考えをはっきりとまとめたり、探したり調べたりすべきことを見いだせるプロンプトを紹介します。
プロンプト:「悩み事」とはなんでしょう?あなたが質問して、私が回答するステップを7回繰り返してください。その回答結果に応じて結論とアドバイスをお願いします。
プロンプト例:「ジャーニーマップの作り方」とはなんでしょう?あなたが質問して、私が回答するステップを7回繰り返してください。その回答結果に応じて結論とアドバイスをお願いします。
プロンプト例:「ペルソナの作り方」とはなんでしょう?あなたが質問して、私が回答するステップを7回繰り返してください。その回答結果に応じて結論とアドバイスをお願いします。
ChatGPTは、空気を読まずにズバズバと質問してくるので、戸惑うかもしれませんが、何度質問しても、なんど回答をハズしても人間ではないので気になりません。いろいろ調べながら回答することで、自分がわかっていないこと、つまずいていたことがなんなのかがわかるオススメのプロンプトです。
Scribble Diffusionというマウスで描いたスケッチをもとに画像生成するAIで娘と遊ぶのがとても楽しいです。子供にとっては、ちょっとした英語の勉強にもなるし。プロンプトは "photo of rabbit and carrot" でこんな画像が生み出されました。https://scribblediffusion.com/
最新の Prompt UX Newsletter とバックナンバーはこちら。登録は無料です。→