【プロンプトUX】Prompt UX Newsletter #006
経験は他人の言葉よりも真実 / Experience is a truer guide than the words of others.
◆地味に便利な [ Continue generating ] 「続き」ボタン
ChatGPTで回答が長過ぎ、途中で言葉が切れて最後まで表示されない事象がよくありました「続き」や「続きを教えて」などとプロンプトを入力すると、途切れていた続きを表示し始めるのですが、途切れた部分がそのままで次の項目を表示してしまったり、不便な面もありました。
公式に [ Continue generating ] というボタンが出現し、回答が途切れた場合、必ず続きを表示し続けられるようになりました。
稀に区切りの良いところで中断しているために、続きの回答があることに気づかない場合もあるかもしれず、そういった時の回避策は文章を注意深く読むのが大切かもしれません。
ChatGPTの回答はたいてい、質問の意味を正しくとらえられているかどうかを確認するために質問を言い換えて繰り返します。その後具体的な回答があったあとで、最後にまとめの言葉、免責事項的な言葉でしめくくることが多いようです。
◆ChatGPT プラグイン登場。あらゆる情報が拡張される!
まえまえから噂のあった ChatGPT のプラグインが、有料アカウントであるPLUS ユーザーに開放され、waitlist の待ち行列なしで使えるようになりました。
2023年5月12日よりPLUSユーザー向けに徐々に使えるようになったChatGPTプラグイン。最初は約80個、日々増えつつあり、このニュースレター執筆時には、125個にもなっていました。
もとからChatGPT API を活用したサービスを展開しているところや、もとからあるサービスがChatGPT利用に向いているようなサービスから出揃ってきたように見受けられます。今後はさらに凄い勢いで数多くのプラグインが登場することでしょう。現在もプラグイン一覧には「Plugin Store」という名前がついてはいますが、まだまだ簡単な一覧でしかありません。徐々にスマートフォンのアプリストアのような充実した仕組みが出てくる日も近いと思われます。
ChatGPTの弱点といわれることのひとつに、大規模言語モデルの構築用に集めた情報が2022年9月までのものであり、それ以降の情報が欠如している点があります。それによって「ChatGPTは検索に向かない」と言われていましたが、ここにきてもうひとつの新機能 Web browsing でその欠点が補われる状態になりました。結果が表示されるまでに少し時間がかかりますが、最新情報も対象とした回答がなされ、情報ソースを示してくれるのは頼りになります。
Web browsing 機能の登場で、最新情報を取り込んで活用できていた Microsoft Bing や Google Bard の優位性が薄まってしまった印象です。
残念ながらこのタイミングでは UX系やデザイン系のプラグインはありませんが、論文検索プラグインScholorAIや長い文章の要約プラグインGlarityといった一部の用途ではおおいに活用できることでしょう。
また、ChatGPT 公式アプリが登場したそうです。2023年5月18日のリリース時点では、まだ米国のアプリストア限定、iOSに限るようです。数週間のうちに各国のアプリストアに登場する予定で、Android版も予定されているそう。いまでもChatGPTベースのアプリがいくつか公開されていますが、より素早く気軽に公式のChatGPTが使えるのは大歓迎です。
◆電通、「キャラクターとの自動対話サービス」の実証実験
大手広告代理店の電通がChatGPTを活用した「キャラクターとの自動対話サービス」のプロトタイプを開発とのニュースリリースがありました。そのキャラクターは日本中で見慣れた「いらすとや」のキャラクターを正式にライセンス取得して利用しているそうです。
近い将来、もしかしたらすでに現在、わざわざ利用者への調査やインタビューをせずとも、人工知能相手にいろいろ聞くことである程度の情報は集められてしまうのかもしれません。何より手軽に練習したり、なんども同じことを聞いても(たぶん)嫌がられないといったのも人工知能の利点かもしれません。
ChatGPTは平気で嘘を言うと指摘されるかもしれませんが、人間へのインタビューも取り繕ったり、記憶があいまいだったりして、インタビュー内容の何割かは真実ではない事柄が混じっている場合もあります。もちろん聞き方や質問の仕方にもよりますが。
ChatGPTを活用した「キャラクターとの自動対話サービス」のプロトタイプを開発
https://www.dentsu.co.jp/news/business/2023/0517-010611.html
◆新機能の提案、拡張機能の提案をChatGPTにお願い
現在すでに使われているサービスやアプリの新機能や拡張機能を考えなければいけない場面があるとします。もちろん機能が増えるのは慣れや利便性、それにまつわるコストなどを考えると必ずしも得策ではないかもしれませんが、ここではいったんその考えを脇に置いて、単純に新機能を考えるきっかけとしてChatGPTにお願いしてみましょう。
ここでは「レシピアプリ」と問いかけていますが、皆さんが関わっているサービスなどに自由に書き換えてみてください。実際のユーザー声に近いであろうニーズをとらえた新機能一覧が数十秒で表示される様子に、思わず唸るはずです。
もちろん情報源として料理をする人の情報やレシピを活用する人々、レシピアプリが数多く存在するから回答の精度も上がっていると考えられますが、質問の仕方ひとつで、欲しい情報が引き出せられるのではないかと考えており、工夫のしどころだと思います。
プロンプト例:ユーザーのよくある悩みをもとに、レシピアプリの新機能をいくつか提案してください。
ChatGPTの回答:
ユーザーの一般的な悩みを考慮に入れて、レシピアプリの新機能をいくつか提案します。
個人化されたレシピ推奨機能: ユーザーの過去の検索、評価、好きな食材や食事制限に基づいて、レシピを推奨します。これは、ユーザーが新たな料理を探すときの助けとなります。
食材の在庫管理機能: ユーザーが家に何があるのか、または何が不足しているのかを簡単に把握できるように、食材の在庫管理機能を追加します。この機能は、レシピを見つけてから必要な食材がないという問題を解消します。
スマートショッピングリスト: ユーザーがレシピを選ぶと、そのレシピで必要な食材をショッピングリストに自動的に追加します。また、家にある食材はリストから除外します。
ステップバイステップの料理ガイド: ユーザーが新しいレシピを試すときに不安を感じることを軽減するため、ステップバイステップの調理ガイド(写真やビデオを含む)を提供します。
栄養情報と健康追跡: 各レシピの栄養情報を表示し、ユーザーが健康管理を行えるようにします。さらに、カロリーやマクロ栄養素の追跡機能を追加することも考慮すると良いでしょう。
料理スキル向上機能: 料理技術を向上させるためのチュートリアルやテクニックのビデオを提供します。例えば、包丁の使い方、食材の選び方、料理の基本的なテクニックなどを教えることができます。
レシピ共有とコミュニティ機能: ユーザーが自分のレシピを共有したり、他のユーザーと料理のアイデアを交換したりできるコミュニティ機能を提供します。これは、ユーザーが新たな料理のインスピレーションを得るのに役立ちます。
これらの機能は、ユーザーが料理を楽しむのに役立ち、レシピの選択、準備、調理を容易にします。
近所にある米国チェーン店のピザレストランでは、月に一回プロのマジシャンがテーブルマジックを披露してくれます。最近は娘がちょっとしたマジックをそのマジシャン相手に披露すると、マジシャンは同じタイプのマジックをより鮮やかにキメるという、なんだか妙なループというかスパイラルにハマりつつあります。
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